* 米国上場のビットコイン現物ETFに数十億ドルの資金が流入。その多くはアービトラージではなく、戦略的な強気の投資だ。* 11本のETFには4月以降、56億1000万ドルが流入し、2024年1月からの累計流入額は410億ドルを超えた。* CFTCのデータは、レバレッジド・ファンドがネット・ショートを減らしたこと、つまりアービトラージではなく、方向性を持った投資の増加を裏付けている。米国上場のビットコイン現物ETF(上場投資信託)には、この数週間、数十億ドル規模の資金が流入している。ビットコインが7万5000ドル〜10万ドルへと急回復する中での動きだ。流入の大半は、マーケット・ニュートラルなアービトラージ(裁定取引)ではなく、戦略的な強気な方向性を持つものである可能性が高いとデータ分析は示している。データプロバイダーのSoSoValueによると、米国上場の11本のビットコイン現物ETFは、4月に29億7000万ドル、5月は現時点までに26億4000万ドルを集めている。2024年1月のローンチ以降の純流入額は410億ドル(5兆9500億円)を超えた。これまで多くの機関投資家は、こうしたビットコイン現物ETFを価格変動リスクを伴わない「キャッシュ・アンド・キャリー・アービトラージ」(先物と現物の価格差を狙う取引)に利用していた。この手法では、ETFを購入すると同時にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物を売却し、先物プレミアムを収益として得る。だが、4月初旬からの資金流入はそれとは異なり、価格上昇を見込んだ、より強気の方向性を持った投資であることが示されている。米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表しているCOT(Commitment of Traders)レポートが、そうした動きを裏付けている。デリバティブ・データプロバイダーのトレーディングスター(Tradingster)のデータによると、レバレッジド・ファンド──ヘッジファンドや、コモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)を含むさまざまなタイプの資金運用会社など──は、4月初旬には1万7141枚のネット・ショート(売り越し)を1万4139枚まで減らしている。もし今回のETFへの大幅な資金流入がキャリー・トレードによるものなら、ショート・ポジションの建玉数は増加していたはずだ。つまり、現状はアービトラージではなく方向性を持った投資が中心となっていることを示している。「CFTCのデータは、レバレッジド・ファンドはショート・ポジションを大幅には増やしていないことを示している。これは、最近の資金流入の多くがアービトラージではなく、方向性を持った投資であることを示している」と、オプションズ・いんさいと(Options Insight)の創業者イムラン・ラクハ(Imran Lakha)氏は、暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)のブログの中で述べている。ビットコインETFへの資金流入の性質の変化は、大口投資家がビットコインの今後の方向性について、明るい見通しを持っていることを示している。日本時間18日8時30分時点、CoinDeskのデータによると、ビットコインは10万3100ドル超となっている。**【あわせて読みたい】**ビットコインとは ビットコイン 購入 ビットコイン取引所
ビットコインETFに50億ドル(7300億円)超が流入──アービトラージから強気の投資にシフトか | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
米国上場のビットコイン現物ETF(上場投資信託)には、この数週間、数十億ドル規模の資金が流入している。ビットコインが7万5000ドル〜10万ドルへと急回復する中での動きだ。
流入の大半は、マーケット・ニュートラルなアービトラージ(裁定取引)ではなく、戦略的な強気な方向性を持つものである可能性が高いとデータ分析は示している。
データプロバイダーのSoSoValueによると、米国上場の11本のビットコイン現物ETFは、4月に29億7000万ドル、5月は現時点までに26億4000万ドルを集めている。2024年1月のローンチ以降の純流入額は410億ドル(5兆9500億円)を超えた。
これまで多くの機関投資家は、こうしたビットコイン現物ETFを価格変動リスクを伴わない「キャッシュ・アンド・キャリー・アービトラージ」(先物と現物の価格差を狙う取引)に利用していた。この手法では、ETFを購入すると同時にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物を売却し、先物プレミアムを収益として得る。
だが、4月初旬からの資金流入はそれとは異なり、価格上昇を見込んだ、より強気の方向性を持った投資であることが示されている。米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表しているCOT(Commitment of Traders)レポートが、そうした動きを裏付けている。
デリバティブ・データプロバイダーのトレーディングスター(Tradingster)のデータによると、レバレッジド・ファンド──ヘッジファンドや、コモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)を含むさまざまなタイプの資金運用会社など──は、4月初旬には1万7141枚のネット・ショート(売り越し)を1万4139枚まで減らしている。
もし今回のETFへの大幅な資金流入がキャリー・トレードによるものなら、ショート・ポジションの建玉数は増加していたはずだ。つまり、現状はアービトラージではなく方向性を持った投資が中心となっていることを示している。
「CFTCのデータは、レバレッジド・ファンドはショート・ポジションを大幅には増やしていないことを示している。これは、最近の資金流入の多くがアービトラージではなく、方向性を持った投資であることを示している」と、オプションズ・いんさいと(Options Insight)の創業者イムラン・ラクハ(Imran Lakha)氏は、暗号資産デリバティブ取引所デリビット(Deribit)のブログの中で述べている。
ビットコインETFへの資金流入の性質の変化は、大口投資家がビットコインの今後の方向性について、明るい見通しを持っていることを示している。
日本時間18日8時30分時点、CoinDeskのデータによると、ビットコインは10万3100ドル超となっている。
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