* イーサリアムインフラ大手のコンセンシス(Consensys)は、ウォレットインフラストラクチャプロバイダーのWeb3Authを買収し、人気ウォレット、メタマスク(MetaMask)の刷新を図る。* コンセンシスは、今回の買収の金銭的な詳細を明かしていないが、メタマスクのユーザーオンボーディング体験を向上させることを目的としている。* この買収は、セルフカストディ型ウォレットの使いやすさに関する課題に対処するためのコンセンシスの継続的な取り組みの一環であり、開発者体験の向上に向けた基盤を確立するものでもあると、コンセンシスは説明している。人気のメタマスクウォレットを運営するイーサリアムインフラ企業のコンセンシスは、自社のプラットフォームにおけるユーザー体験の向上と開発者へのアクセス改善を目的に、ウォレットインフラを提供するWeb3Authを買収したと発表した。買収の金銭的条件は公開されていない。この買収は、メタマスクのオンボーディング体験を最新化し、セルフカストディ型暗号資産(仮想通貨)ウォレットが直面する最も深刻な課題のひとつであるシードフレーズの管理に対処することを目的としている。コンセンシスの内部データによると、メタマスクユーザーの35%がシードフレーズのバックアップを行っていないことが判明しており、これは資金の永久的な喪失につながる重大な脆弱性である。Web3Authのテクノロジーは、既に約8200の分散型アプリケーションに統合されており、Web2スタイルのユーザーフローを模倣したログインとリカバリツールを提供している。この統合により、メタマスクユーザーはシードフレーズだけに依存せずにウォレットにアクセスするオプションを得られるようになり、業界全体で推進されている「アカウント抽象化」の流れに沿ったものになる。アカウント抽象化は、暗号資産ウォレットが伝統的アプリと同様の使いやすさと安全性を提供すべきという考えである。「この統合はメタマスクの機能を大幅に向上させ、私たちが信じる『最高のWeb3ウォレットは、ユーザーに力を与えるような多様な機能をサポートするインフラをシームレスに統合すべき』という理念を体現している」と、コンセンシスのCEOであり、イーサリアムの共同創設者でもあるジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏は述べ、次のように続けた。「これには、摩擦のないオンボーディング、カスタマイズ可能なインターフェース、マイセリウム(菌糸)のネットワークを彷彿とさせるような広範なエコシステム接続性、多様なニーズに対応する設定可能なセキュリティ、および高セキュリティ環境での最大限の保護が含まれる」。今回の買収は、メタマスクエコシステム内で開発を行う開発者もターゲットにしている。Web3Authの組み込みソフトウェア開発キット(SDK)を統合することで、開発者体験を簡素化し、消費者向けアプリケーションにブロックチェーンを統合するためのより柔軟なツールを提供することを目指していると、コンセンシスは語った。「Web3の未来は、ブロックチェーン統合をほぼ目立たないものとし、ユーザーとのインタラクションを意味のあるものに最小限に抑える埋め込み型ウォレットで満ちたものになるだろう」と、メタマスクの共同創設者であるダン・フィンレイ(Dan Finlay)氏はプレスリリースで述べ、次のように続けた。「私たちは共に、両方の世界のベストを組み合わせたものを築けると考えている。つまり、可能な限り目立たない分散型ウェブでありながら、ユーザーがその力を活用する準備ができた時には立ち現れるものだ」。
コンセンシス、Web3Authを買収──メタマスク刷新を目指す | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
人気のメタマスクウォレットを運営するイーサリアムインフラ企業のコンセンシスは、自社のプラットフォームにおけるユーザー体験の向上と開発者へのアクセス改善を目的に、ウォレットインフラを提供するWeb3Authを買収したと発表した。
買収の金銭的条件は公開されていない。
この買収は、メタマスクのオンボーディング体験を最新化し、セルフカストディ型暗号資産(仮想通貨)ウォレットが直面する最も深刻な課題のひとつであるシードフレーズの管理に対処することを目的としている。
コンセンシスの内部データによると、メタマスクユーザーの35%がシードフレーズのバックアップを行っていないことが判明しており、これは資金の永久的な喪失につながる重大な脆弱性である。
Web3Authのテクノロジーは、既に約8200の分散型アプリケーションに統合されており、Web2スタイルのユーザーフローを模倣したログインとリカバリツールを提供している。
この統合により、メタマスクユーザーはシードフレーズだけに依存せずにウォレットにアクセスするオプションを得られるようになり、業界全体で推進されている「アカウント抽象化」の流れに沿ったものになる。アカウント抽象化は、暗号資産ウォレットが伝統的アプリと同様の使いやすさと安全性を提供すべきという考えである。
「この統合はメタマスクの機能を大幅に向上させ、私たちが信じる『最高のWeb3ウォレットは、ユーザーに力を与えるような多様な機能をサポートするインフラをシームレスに統合すべき』という理念を体現している」と、コンセンシスのCEOであり、イーサリアムの共同創設者でもあるジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏は述べ、次のように続けた。
「これには、摩擦のないオンボーディング、カスタマイズ可能なインターフェース、マイセリウム(菌糸)のネットワークを彷彿とさせるような広範なエコシステム接続性、多様なニーズに対応する設定可能なセキュリティ、および高セキュリティ環境での最大限の保護が含まれる」。
今回の買収は、メタマスクエコシステム内で開発を行う開発者もターゲットにしている。Web3Authの組み込みソフトウェア開発キット(SDK)を統合することで、開発者体験を簡素化し、消費者向けアプリケーションにブロックチェーンを統合するためのより柔軟なツールを提供することを目指していると、コンセンシスは語った。
「Web3の未来は、ブロックチェーン統合をほぼ目立たないものとし、ユーザーとのインタラクションを意味のあるものに最小限に抑える埋め込み型ウォレットで満ちたものになるだろう」と、メタマスクの共同創設者であるダン・フィンレイ(Dan Finlay)氏はプレスリリースで述べ、次のように続けた。
「私たちは共に、両方の世界のベストを組み合わせたものを築けると考えている。つまり、可能な限り目立たない分散型ウェブでありながら、ユーザーがその力を活用する準備ができた時には立ち現れるものだ」。